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kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

発達障害と耳せん

精神障害者向けライフハック
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精神科治療の第一選択肢は薬物療法

聴覚過敏です。薬で治療しましょう。

主治医からそう告げられた時、なんだかとてもモヤモヤとした気持ちになりました。通院歴が浅い患者の多くがもらす不満。それは「先生があまり話を聞いてくれなくて、処方される薬ばかり増える」です。

医師が一人の患者の話を長々と聞いていたら、外来がまわりません。領収証の保険点数にもたいてい「精神科専門療法:330点」と書かれています。

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厚生労働省が公開している精神科専門療法のPDFファイルによると、30分未満の診察がこれにあたります。

通院・在宅精神療法(1回につき)

イ 30分以上の場合 400点

ロ 30分未満の場合 330点

http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/2-11.pdf

そんなわけで、患者が発する断片的な訴えを頼りに対症療法的に定番の薬が処方されるというのが実態なのではないでしょうか。

聴覚過敏とは

では、聴覚過敏とはいったいどのようなものなのか少し調べてみました。J-STAGE(科学技術情報発信・流通総合システム) に公開されている論文「一般大学生における聴覚過敏の実態とリスク要因」では以下のように聴覚過敏を説明しています。

聴覚過敏とは、環境音の大きさに対して耐性が低く、健常な人にとっては不快でない大きさの音に対して一貫して不快感を覚え、不適切に大きな応答をする状態のことであるとされる。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/56/3/56_234/_pdf

調査に用いた質問項目を見てみると、聴覚過敏の具体的な内容がわかります。

  1. 騒音を減らすために、これまで耳栓やイヤーマフを使用したことがありますか?(異常なほどに激しい騒音にさらされている状況下での聴覚保護のための使用は除きます)
  2. 日常生活において、周りの音を無視することにしんどさを感じますか?
  3. 騒々しい場所や大きな音のする環境で文字を読むことに、困難を抱えていますか?
  4. 周囲が騒々しい中で集中することに困難を抱えていますか?
  5. 騒々しい場所で会話を聞くのが難しいですか?
  6. 知人に「あなたは騒音や特定の種類の音を我慢するのが苦手だ」と言われたことがありますか?
  7. 通りの騒音に特に敏感だったり悩まされたりしていますか?
  8. ある社会的な場面で音を不快だと感じますか?(例 : ナイトクラブ、居酒屋やバー、コンサート、花火大会、立食パーティ)
  9. 人に何かをしようと提案された時(外出、映画、コンサートなど)、そこで我慢することになるであろう騒音につい てすぐに考えますか?
  10. 直面せねばならないであろう騒音が原因で、今まで招待を断ったり、外出しなかったりしたことがありますか?
  11. 少しうるさい部屋にいる時よりも静かな場所にいる時のほうが、騒音や特定の音に悩まされますか?
  12. ストレスや疲労は、あなたが騒音の中で集中する力を減弱させますか?
  13. 一日の終わりが近づくにつれて、騒音の中で集中することができなくなっていきますか?
  14. 騒音や特定の音が、ストレスやいらだちの原因になりますか 

私の答えは、1,2,14が「はい」です。ただし、私がストレスを感じるのは"特定の音"であり、その他の設問にあるような「騒々しさ」ではありません。私が耐えられない"特定の音"は以下の2種類です。

  • 食べ物や飲み物をすする音
  • 苦手な人の発する声、足あと、その人が乗る車のエンジン音

A.は音そのものより、それを発する人の"無作法さ"を不快に感じています。そして、"そんな無作法な人と同じ空間を共にしなければいけない自分の不甲斐なさ"に絶望します。

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B.もその"周波数や音量"に耐性がないのではなく、特定の人への憎しみや恐怖といった感情が根底にあります。

つまり、他の設問項目にあるような漠然とした騒音ではないのです。私の場合、むしろカフェなどで他の客の話し声をBGMに仕事をしたり、まったく音が聞こえない部屋より通りの音が聞こえたりするする環境を好みます。

したがって、医療の世界で定義される聴覚過敏と私の悩みは異なるのではないかという疑念を抱きました。

聴覚過敏を和らげるツール

とはいえ、なんらかの方法で音に関するストレスを自分で解決しなければなりません。もっとも手っ取り早いのは耳せんですが、いろいろ調べてみると"発達障害と耳せんに関する情報"がたくさん見つかりました。

ボクの彼女は発達障害 』によると、聴覚過敏当事者はノイズキャンセリングイヤホンというものを使うことがあるそうです。

ノイズキャンセリングイヤホン

ノイズキャンセリング機能があるイヤホンやヘッドフォンは、音楽などをクリアな音質で楽しむために騒音を消すことができ、千円程度の安価なものから音質重視の本格的な商品まで多数のバリエーションがあるようです。

イヤーマフ

さらにリサーチを続けると、防音を最大の目的とするヘッドフォンとして、イヤーマフという工具に分類される商品を知りました。工事現場や射撃場などで尋常ならぬ騒音から耳を守るために開発されたものです。

イヤーマフの商品仕様でNRR(Noise Reduction Rating)という騒音を遮蔽する基準を知りました。例えば、上のリンクの商品のように「NRR30dB」と記載されている場合は「騒音を30デジベル分軽減できる」という意味です。

NRR30以上の耳せんを探してみました

では、このNRRという指標でどの程度の満足感が得られるのか知りたく、調べてみると1個あたりの単価が45円(送料別)というNRR33の商品が見つかりました。

この商品写真を見る限り、百円ショップなどで売られているものや、MRI検査*1でもらえる使い捨ての耳せんとなんら変わらないようです。

このことから想像するに、高価なイヤーマフやノイズキャンセリング機能を持つヘッドホンもたいした遮音効果は得られないかもしれません。

デジタル耳せん

昨年、発達障害の方の間で話題になった商品がデジタル耳せんです。デジタル耳栓を使ってみた感想。 - うちの子流~発達障害と生きるでは、当事者のお母様がデジタル耳せんをこう評しています。

私の感想としては合う人にとっては革命的にいいものなんだろうなーと思いました。

調整できる聴覚を持っている人にはちょっと便利な物って感じです。 

YouTubeにデジタル耳せんの発売元であるキングジムが公開している着用サンプル音があるので、興味がある方は参考にしてください。

まとめ

いろいろ調べてみましたが、雑踏などの騒音で物事に集中できなかったり、ストレスを感じたりする人は、デジタル耳せん、イヤーマフなどを用途に応じて使い分けるのが良さそうです。

ただ、私のように音そのものではなく、人に起因する聴覚ストレスを抱えている場合、百均で買える耳せん以上の効果を得られる商品はなかなか無いようで、これをどう克服するかが今後の課題です。

*1:磁気を利用した装置で、頭や身体を検査する際に大きな音が鳴ります