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kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

精神科のセカンドオピニオンに関するよくある勘違い

精神疾患
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AERA「医者難民にならない」特集から

AERA(アエラ)2015年3/23号の「医者難民にならない」特集にこんな記事が掲載されていました。

抜歯までの1週間、藤岡さんは主治医に内緒で五つの歯科医院を回った。「歯が残せるならと必死でした」と藤岡さん。4院は主治医と同じ見立てだったが、最後の医院で「何とか残せるかもしれない」と言われ、転院を決意した。

かかりつけのクリニックで前歯の抜歯を勧められた女性が、セカンドオピニオンを求めるつもりで、複数の歯科医院を受診したという話です。

精神科で主治医の診立てに満足できない人たち

精神科の患者が集うネット上のコミュニティでも、セカンドオピニオンという言葉をよく目にします。その多くは、こんな内容です。

「診断内容や処方に疑問があるので、セカンドオピニオンしたいけれど、自立支援*1でしばられているので難しい」

「薬漬けにされてしまったので、代替医療やカウンセリング中心のクリニックでセカンドオピニオンを受けたい」

セカンドオピニオンに関するとある精神科医のご意見

「とある民間病院で働く精神科医」と名乗るプシコマ先生がセカンドオピニオンに言及したツイートを読んでみましょう。

セカンドオピニオンには紹介状が必要

セカンドオピニオンとはどのようなものなのか、実際にセカンドオピニオン外来を開いている医療機関のサイトを見てみましょう。

  • 相談に必要な資料
    現在受診されている主治医からの診療情報提供書(紹介状)と画像データ、検査データ等が必要となります。
  • 相談料金(消費税込み)
    30分以内:21,600円、30分以上60分まで:43,200円
    健康保険の適用にはなりません。ご相談者の自費負担となります。
  • 主治医への報告書の提出
    セカンドオピニオンの内容は、現在受診されている主治医に報告いたしますので、予めご了承ください。

セカンドオピニオン外来のご案内|東京慈恵会医科大学附属病院(本院)

つまり、現在の主治医に紹介状(診療情報提供書)を書いてもらい、セカンドオピニオン内容はその主治医にフィードバックされるという仕組みなのです。

なお、料金に関しては以下の病院のように保険適用となる場合もあるようです。

患者さん本人が来院する場合は健康保険の対応となり、3千円~5千円程度

患者さん家族が来院する場合は自費となり1万円~1万5千円程度

精神科セカンドオピニオン外来のご案内 | 東京都立松沢病院

精神科でドクターショッピングはできるのか?

AERA(アエラ)2015年3/23号の「医者難民にならない」特集の記事に話を戻しますが、都内で開業している歯科医師はこう語っています。

「診療情報の資料は持ってこないので、おそらく主治医には内緒で来ているのでしょう。その後、来なくなると、主治医のところに戻ったんだなと。そのままうちに転院する人もいます。患者さんにとって主治医とは別の歯科医師の意見を聞くのは大事なこと。こっそり他院を受診するのもやむを得ないところはあります」

診療情報提供書(紹介状)を持たずに他院を受診することは、厳密に定義するとセカンドオピニオンではありません。俗にドクターショッピングと呼ばれる行為で、医療者から敬遠されます。

それでは、精神科や心療内科でドクターショッピングは可能なのでしょうか?

精神保健福祉士の資格を持つ女性が、東京都内の精神科クリニック23箇所の処方内容を比較した体験ルポに『行ってもイイ精神科、ダメな精神科』があります。

同じ症状の初診の患者であるように自分を偽って、公的健康保険制度を使いそれぞれのクリニックを1回づつ受診するという手法が倫理面で問題視され、話題となった書籍です。

この本に書かれているように、ドクターショッピングを繰り返せば、自分と相性があう医師と出会えそうな印象はあります。

  • ですが、実際には人気があるクリニックほど初診の予約をとるのに何週間もかかります。
  • そして、ほとんど必ずといっていいほど紹介状(診療情報提供書)のない転院を受け入れていません

もちろん、患者間での評判や混雑状況だけで、病院の良し悪しを判断することはできませんが、転院やセカンドオピニオンを考える際の参考になりそうです。

その他の身体に関する診療科と比較した際、現在の症状だけで診断するのが難しい精神疾患は、過去の治療経過を正しく伝える(当事者目線ではなく、プロの視点で)ことも重要なので、診療情報提供書の持参がマストとなるのでしょう。

*1:精神科の外来に通院する費用の一部を公費で負担する制度で、通院先の医療機関や調剤薬局を事前に登録する必要があります。参考:「自立支援医療(精神通院医療)について」(厚生労働省が公開しているPDF)