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kukkanen’s diary

障害年金で暮らす片づけられない女の日記

「文章力は読書習慣で身につかない」という不都合な真実

ADHD ネット考察
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幼少時の読書習慣で表現力は豊かになるのか?

読者登録している id:pokonan さんのブログは更新される度に沢山はてブされます。

その数は時に数百本にも上り、はてな村を代表する人気ブロガーといってもいいでしょう。

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『田舎で底辺暮らし』 の人気エントリー - はてなブックマーク

idより、ブログのタイトルが印象的なので「田舎で底辺暮らし」さんと呼ばせていただきます。 

いまだに封建的な土壌を残す九州から、時事問題に鋭く斬り込む姿勢がとても共感できます。

PV数も多いであろう「田舎で底辺暮らし」さんがご自分の文章力について、こう語っています。

文章を書く上での具体的なアドバイスなどを綴り、やはり上達する一番のポイントとして最終的には「沢山の本を読むこと」と、ある。 やはり、幼少期に触れた本から得られる文章力や創作力というのは、もう私がいまさらどうあがいて手にはいれられないものなのだ、と思うとなんだか歯がゆいものがある…。

本を読まなかった幼少時代 - 田舎で底辺暮らし

『いっしょにお茶を』(Amazon)という佐藤愛子さんのエッセイによると、「本を沢山読むことが、文章力の向上につながる」とされており、「田舎で底辺暮らし」さんがご自分の幼少時を振り返っているのがこのエントリーの主旨です。

仮説 : ADHDブロガーには文才がない

さて、昨日書いた記事でもふれましたが、私たちADHD当事者はTwitterのような短文は読み書きできても、ブログの執筆にはあまり向いていないのではないでしょうか?

www.kukkanen.tokyo

ADHDブロガーは相対的に人数が少ない

私は、《にほんブログ村》というランキングサービスに参加していますが、そこの[メンタルヘルス]カテゴリーに様々な精神疾患のブログが集められています。

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メンタルヘルスブログランキング - メンヘル・うつ病ブログ村

《病名から知る|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省》に、疾患別の有病率が記載されていたので、ブログ村における各障害の人口比と比較してみました。

疾患名ブログ数ブログ村人口比厚生労働省
ADHD 264 1.5% 3~7%
自閉症スペクトラム 442 2.0% 1~2%
うつ病 2,593 12.0% 3~7%
双極性障害 930 5.2% 0.4~0.7%
パニック障害 696 3.2% 1~2%

実際に確定診断されているかどうはさておき、うつ病や双極性障害を自称するブロガーは、厚生労働省が目安として発表している人口比を上回っています。

Twitterのプロフ欄を分析した記事でも取り上げましたが、双極性障害の多くは「うつ病からの診断変更」という歴史があり、それについて語りたがりな傾向があることから、実データと10倍の開きが生じていると思われます。

www.kukkanen.tokyo

近年、ストラテラやコンサータといった治療薬の成人適応が承認された背景から鑑みると、 ADHDも双極性障害ブロガーと同様に問わず語りを展開しそうなものですが、意外に当事者ブログの数は少ないようです。

もっとも、実力のあるブロガーがこのようなランキングサービスに参加することは稀有であり、閲覧者にクリックを乞う記事の中身を評価するものではありません。

ポチッと宜しくお願いします。皆さんのクリックが励みになります。

にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 大人のADHDへ
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"質"以前に"量"の面で、ADHDをテーマとしたブログが少ないという結果です。

本の虫だった私

さて、ここで少し私の読書体験についてお話しておきます。

子供時代は、さほど裕福な家庭に育ったわけではないのですが、本は好きなだけ買ってもらうことができました。

本から学習できたこと

幼稚園に入る前に、靴の紐を結べるようになったのも親が教えたのではなく、絵本から習得したそうです。

学校に上がるようになってから、『海と毒薬』(Amazon)で遠藤周作氏を知り、狐狸庵シリーズの軽妙な随筆にのめり込みました。

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双極性障害という病気も本で知る

遠藤氏の文壇仲間として、エッセイによく名前があがっていたのが佐藤愛子さんや北杜夫氏でした。

「ドクトルマンボウ」こと北杜夫氏は、自身が精神科医でありながら、躁うつ病に羅患された方で、私は同氏の著作でこの病気を知りました。

躁うつ病は、後に「双極性障害」と呼ばれるようになった精神病ですが、まさか自分がその当事者になるとは、小学生当時の私が知るよしもないことでした。

ビジネス小説で"空気"を知る

一般的に発達障害は「場の空気が読めない」「状況に適した行動がとれない」などと想像力の乏しさを指摘されます。

ですが、私が就職後もそこそこ会社に適応できていたのは、日本企業で暗黙の了解とされている慣習や女性の役割といった価値観を、小説で学んでいたからです。

特に深田祐介氏のようなサラリーマン作家の作品を愛読していたことが、その後の社畜生活に役立ったことは言うまでもありません。

想像力と創造力

私の経験から振り返ってみると、本を読むことにより知識量は増えます長期記憶として脳に刻まれた情報を手がかりに、他人の気持ちや自分に求められている言動を想像することができるようになりました。

ですが、新しく何かを生み出そうとする場合は短期記憶を使います。読書体験で得られた知識を引っ張りだし、それを広げて組み立てるための場所が必要なのです。それが、認知心理学でワーキングメモリと呼ばれるもので、ADHDに足りない脳の機能です。

 長期記憶短期記憶
想像力  
創造力  

単なる「イヒ!」を創造物に変える力

《スマホへのシフトが生み出すADHD脳が活躍する社会 - kukkanen’s diary》でもふれましたが、ADHDは新奇追求傾向があるので、斬新なアイディアを思いつくことがあります。

旭化成のCMでイヒ!君*1という好奇心旺盛なキャラクターが人気者になったことがありますが、ADHDの人は常に「イヒ」を出しまくることによって、自分の覚醒レベルを上げようとしているのです。


旭化成CM 2 個性の時代編1 - YouTube

ちなみに、メチルフェニデートという中枢神経に刺激を与える薬物で覚醒レベルをあげるADHDの治療薬がコンサータです。

www.kukkanen.tokyo

ADHD的性格のメリットとして、次から次へと新しいことを発想できる点をあげることができますが、これは言い換えると「飽きっぽく、実現に向けて努力する集中力がない」ことを意味します。

なぜなら、繰り返しとなりますが、せっかく湧いてきたアイディアを広げるためのワーキングメモリが狭いからです。

このような障害特性から、ブログを書くといったクリエイティビティが問われる作業を苦手とします。

はい、というわけでこのエントリーも全然内容がまとまりません(笑)

ただし、《スマホへのシフトが生み出すADHD脳が活躍する社会 - kukkanen’s diary》という記事を書きながら出た結論が下のツイートです。

そんなわけで、単に読書量を増やすだけで筆力が向上したり、創造性に富んだ人間になれたりするわけではないけれど、他者とのコラボレーション環境が構築されれば、私たちのADHD脳が活かされる場面もあるのではと思った次第です。